4C以外の査定ポイントについて
4C(カラット、カット、カラー、クラリティー)がわかれば、おおよその査定は出来ますが、鑑定書には、4C以外の項目も多数あります。
今回は、4C以外の項目の説明していきたいと思います。
査定にも大きく影響する項目もありますので、覚えておくと役立つと思います。
蛍光性について
蛍光性は、ダイヤモンドに紫外線を当てた時にどのような反応(何色)をするかというものです。
蛍光性については、ない方が評価が高く、蛍光性が強い方がダイヤ自身が濁って見え,輝きが失われるる事があります。
NONE > FAINT > MIDIUM BLUE > STRONG BLUE > VERY STRONG BLUE
の順番でNONEが一番評価が高いです。
その他に、グリーン、イエロー系もマイナス評価となります。
NONE | FAINT | MIDIUM BLUE | STRONG BLUE | V,S, BLUE |
3EX(トリプルエクセレント)について
トリプルエクセレントとは、プロポーション(カットの総合評価)、シンメトリー(対称性)、ポリッシュ(表面の研磨)とによって評価され、この3項目全てが最高評価「Excellent」のダイヤモンドのことをいいます。
トリプルエクセレントにのダイヤモンドは、最も光の反射、光の分散するカット、仕上げですので、カットに関しては最高のダイヤモンドと言えるのではないでしょうか。
シンメトリー
ダイヤモンドの形状が左右対称である事。
シンメトリーが崩れたダイヤモンドは、光を均等に屈折出来ず、美しく見えません。
評価項目としては、
1、テーブル・キューレットが中心にあるか?
2、ガードルの輪郭は崩れていないか?
3、ガードルとテーブル面が平行になっているか?
4、パビリオンとクラウンの配列はずれていないか?
5、ファセットの形は崩れていないか?
6、テーブルは正八角形であるか?
7、ファセットの先端は合っているか?
ポリッシュ(研磨)
研磨の仕上がり評価です。こちらも状態が悪いと、美しく輝かないので重要です。
評価項目としては、
アブレージョン (摩耗) |
ファセットエッジ沿いにファセット同士の接続ではなく、ぼやけた白い線を作り出します。 |
バーン (Bum) |
研磨中に加えられた熱などにより白っぽい曇りが残る場合があります。 |
レーザー 製造残留物 (LMR) |
研磨されたダイヤモンドの表面に残った、レーザー製造による残留物。白い溝のように見えます。 |
ニック、傷 (Nck) |
ガードル沿いかキューレットある、小さな刻み跡 |
ピット (Pit) |
白い点のように見える小さな開口部 |
ポリッシュライン (研磨線) |
研磨工程で付いた平行な線、白く見える場合と透明に見える場合があります。 |
スクラッチ (Scr) |
細く白い線のように見える表面上の後、曲線の場合もあります。 |
ラフガードル (Rg) |
ガードル部分が粗く、ざらざらしている。 |
リザートスキン (LS) |
グレインを取り除く為に研磨して作られる、指紋のような跡 |
※トリプルエクセレントのダイヤモンドは、
『BRILLIANCE(ブリリアンス)』全反射するとても強い輝き
『SCINTILLATION(シンチレーション)』ダイヤモンドの光のきらめき。フラッシュ効果をシンチレーションという。
『DISPERSION(ディスパージョン)』 光の分散。ダイヤモンド内部で屈折反射を繰り返し、虹色を示す。
これらの要素が、全て最高の状態であるので、とてもきれいな輝きを放つダイヤモンドと言えるでしょう。
ハートアンドキューピッドについて
ダイヤモンドが最も美しく輝くカット、アメリカン/トルコウスキーカット、58面体のラウンドブリリアントカットですが、その中でも特に対称性が高くカットされたダイヤモンドには、下からの光の反射像を見ると8つのハートが浮かび上がり、上から見ると8つの矢を確認する事が出来ます。
※注意して頂きたいのは、確かに左右の対称性は良いと思いますが、カットのグレードは対称性だけではありません。
例えば、パビリオンの深さが良くなくても対称性が良ければハート&キューピッドは出ます。
という事は、ハートアンドキューピッドが見えても4Cのカットグレードでエクセレント評価になるとは限らないという事です。
また、国際的なカット基準ではないので、GIAの鑑定書などには載りません。
カット形状について
ダイヤモンドのカット形状はみなさんがよく知っているラウンド・ブリリアント・カットが有名ですが、他にもたくさんのカットの仕方がありますのでご紹介したいと思います。 |
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ラウンド・ブリリアント・カット | 立て爪のリングに付いてるラウンド・ブリリアント・カット |
ラウンドブリリアントカット
ラウンドブリリアントカットは、カットの中でも、一番、光を反射させ、輝かせる事の出来るカットです。
ダイヤモンドの由来は、ギリシャ語のアマダス(征服されざる)から来ていて、自然界の中で最も硬い物質です。1725年ごろにブラジルで発見されるまでは、インドが唯一の産地でした。
その昔のインドでは、原石の欠点部分を取り除くカットが主流でした。
15世紀ヨーロッパで、王室や貴族の女性たちがダイヤモンドを身につけはじめました。
現在の元となるダイヤモンドパウダーを使う研磨技術が開発されました。
17世紀中ごろに、マザランによりブリリアントカットの原型が作られ、近年まで改良が加えられてきました。
ブリリアントカットは、原石のロス率が50%以上にもなりますが、美しい輝きが出る画期的なカットです。
3つのブリリアントカットの手法を説明いたします。
ソーヤブル
2つのピラミッドがくっついたような正8面体の原石。
ロシアなどの鉱山から多く産出され、ダイヤモンドパウダーをつけた刃で切断し、大小2つのダイヤモンドを研磨します。全宝石の原石の20%未満しかソーヤブルはありませんが、形が整っていて比較的に研磨の時に障害が少ないので、大きさにかかわらずたいへん貴重です。
メイカブル
主にインドで研磨されているメイカブル。
これは、make+able作る事が出来るという意味からきています。
形がバラバラで1つ1つ原石の形に対応して研磨します。
メイカブルは中級品の原石といわれていて、中には良質に磨きあがる物や、低品質なものもあります。
ニアージェム
宝石石よりの工業用を意味する原石の事です。インクリュージョンや亀裂、透明度に欠けているものがほとんどです。
よく低価格ジュエリーなどで使われ、LDH(※1)や含浸処理(※2)の有無によって、価格が大きく変わります。
※1・・・・・・カーボン(黒点、インクリュージョン)をレーザーで穴をあけ取り除く処理方法です。
※2・・・・・・表面の傷や亀裂に樹脂などを含浸させて、見えづらくさせる処理方法です。
エメラルドカット
エメラルドカットと呼び方は、コロンビア産のエメラルドがこの形に多くされることから定着しました。
六方柱形のコロンビア産エメラルドは、この形にするのが1番美しいといわれています。
エメラルドカットは、結晶の善し悪しが直接透明度に反映され、素材の欠点を隠す事が出来ない。
面のとり方でステップカットというカットがある。
どのようなものかと言えば、ガードルに平行にして段状にカットしていく総称。エメラルドカットは、角を落としたステップカットの事です。
またステップカットには他にも、スクエア(正方形)、バゲット(長方形)、テーパーバゲット(台形)などがあり、よくメレーダイヤモンドに使われるカットです。
さらには、プリンセスカットというカットもありますが、これは、ブリリアントの輝きとスクエアの形を融合させたものです。
スクエアカットの中で1番人気のあるカットです。
バケットカットとともに、エメラルドカットは、脇石として使われている事も多いです。
メインの石を飾るダイヤモンドをメレダイヤなどと、呼ばれていますが、ラフテルでは、どんなに小さなダイヤモンド(メレダイヤ)にもお値段をきちんと付け買取致します。
他店でお値段付かなかった、小さなダイヤモンドでも、諦めずに、ぜひ、お持ちになってください。
ハートシェープ | ペアーシェープ | オパール・ブリリアントカット |
プリンセス・カット | バケットカット | エメラルド・カット |
ペアシェイプカット
ティアドロップ(涙のしずく)と呼ばれる事もあります。
涙が落ちる時の形と似ているからです。
由来は西洋ナシと似ているところから来ています。
今、現在研磨されているダイヤモンドはペアシェイプが多いように感じます。
なぜかというと、ラウンドより実際大きく見え、カットロスが少なく結晶を有効に使えるからです。
ペアシェイプのダイヤモンドでよく使われるのが、ティアラやペンダントトップの中心に大粒の物が良く使われています。
これは、着けている人が動くたびに7色の分散光が輝き、少し離れた人からでも分かるくらいの輝きを発する事が出来るからです。
また、海外オークションでも大粒の物がおおく出品されています。
ペアシェイプもマーキス同様に記号や数値も大事ですが、手に取って見た時の印象も大事なものです。
ラフテルではペアシェイプカットのダイヤモンドも力を入れて買取していますので、ぜひ、お問い合わせください。
マーキスカット
マーキスカットは、両端が尖った楕円の形。
ルイ15世が1745年ポンパドール夫人にマーキスの称号を与え、その頃に船形のダイヤモンドが市場にあらわれ、夫人に敬意を表してマーキスと名付けました。
このカットは、効率よく目減りを少なくし、不要な部分のみを取り除く事が出来きます。
マーキスの比率はさまざまあります。
中でも小粒の物はフルカット58よりもシングルカット18の方が、輝きが強い特徴があります。
現在では小粒の物は、インドが中心で研磨されています。一つ一つの結晶を最も美しさを引き出すには、形や面のとり方、立体の枠組みで決まります。
カッターの熟練の技術でファセットの接点を丁寧に仕上げていきます。
こうして、美しいマーキスカットが出来上がります。
市場では、グレーディングレポートや記号だけで判断しようとしてきました。
ただ、宝石の美しさはそれらも大事ですが、記号や数値ではあらわせない事もあります。
マーキスカットは、短辺や直径に対しどれくらいの深さがあれば、最も美しくなるのかは、カッターの経験がものを言います。
深さの事をトータルデプスと言い、オーバル、マーキス、ペアシェイプ等は50~70%内が美しいとされます。
マーキスカットも大粒のダイヤとして、使われているよりも、メインの宝石を引き立たせる、メレダイヤとして使用されている場合が多いと思います。
プリンセスカットやバケットカット、エメラルドカットのように、小さなマーキスカットのダイヤモンドも高価買取しております。
この他にも、様々なカット形状がありますが、ラウンド・ブリリアント・カット以外は、マイナス査定に、なりやすいです。
こちらは、様々なカット形状のダイヤモンドが、埋め込まれているリングです。
真ん中大きなダイヤモンドがラウンド・ブリリアント・カット
一番外側の四角いダイヤモンドがプリンセスカット
真ん中の小さいダイヤモンドがバケットカット
加工処理について
レーザードリルホール(LDH)
ダイヤモンドの中に黒点などの内包物がある場合、クラリティーが悪くなってしまうため、価値下がってしまいます。
そのため、黒点を人工的に消す技術が開発されました。
これを、レーザードリルホールと言います。
レーザードリルホールは、人工的に強力なレーザーでダイヤモンド内部の目立つ内放物まで穴を開け、酸を注入して、内放物を除去する作業です。
これによって、内放物がなくなり、クラリティー(透明度)が上がります。しかし、レーザーで穴を開けた道筋には、白い線が残りよく見れば、レーザードリルホールを行った事がすぐにわかります。
査定も、人工的に手を加えているので、大きく下がってしまいます。
ガラス充填処理
レザードリルホールと同じく、クラリティーを向上させるために開発された処理です。
1980年代に開発された処理で、ダイヤモンドの表面に付いてしまった割れをダイヤモンドに近い屈折率のガラスを埋めて、目立たなくさせる
処理です。
こちらも、マイナス査定となってしまいます。
高温高圧処理(HPHT)
ご存じの通り、ダイヤモンドのカラーは無色の方がグレードが良いので、カラーの悪いダイヤモンドを無色に近づける処理を高温高圧処理といいます。
名前のまんまですが、ダイヤモンドに高圧下で加熱処理を施しダイヤモンドの色を飛ばし無色に近づける方法です。
歴史は浅く1999年3月に(GE)がラザール キャプラン インターナショナルと組んで発表した技術です。
当初は見破る方法がなく、業界全体が慌てましたが、現在は研究も進み鑑定する事が可能となりました。
こちらも、査定は大幅にダウンしてしまいます。
含侵処理(がんしんしょり)
こちらの処理もカラーを変化させる技術です。
含侵処理とは、放射線処理の事でブラウンやイエローのダイヤモンドをブルーまたは、ブルー、グリーンに変化させる事が出来ます。
肉眼での判別は難しいですが、フラッシュの有無などで判別する事が出来きます。
マイナス査定となります。
※地球上で採掘されるダイヤモンドのほとんどが、実は、褐色です。
そのため、昔から、人気のあるダイヤモンドのカラー、クラリティーにするにはどうすればいいのかと考えられて来ました。
今回、代表的な処理を紹介させて頂きましたが、今後も、新しい処理技術が出てくるかも知れません。
その度に、業界全体で見破る方法を研究し、いたちごっこのような状態は続いて行くと思います。
素人目ではなかなか処理の有無については見分けるは難しいと思いますので、信用出来るお店や、しっかりした鑑定機関で発行されている鑑定書が付いているダイヤモンドを買う事をお勧めします。
また、処理がしてあるダイヤモンドを、安く購入出来るお店もありますので、大きいダイヤモンドを安価で手に入れたい場合などは、とてもお買い得と言えるかもしれません。
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